■メークイン
メークインは十勝を代表する農作物。煮くずれしにくく、カレーやシチューなどの煮物向きのメークインは、舌触りが滑らかな人気商品の一つです。見た目は長細く、でこぼこも少ないスマートなじゃがいもです。肉色は淡い黄白色で、皮色も淡い色合いです。
もともとはイギリスの品種で、日本ともつながりが深いサットン商会によって世間に紹介されました。品種名の由来は、中世の春の村祭りの際、村の娘の中から選ばれる女王にちなんだものといわれています。1917年にアメリカから輸入され、同年か翌年には北海道に導入されたようです。戦後、食糧事情が安定した頃から需要が伸び始め、全国で注目されるようになりました。
メークインはやや粘質で、舌触りが滑らかで良いのが特徴です。低温で貯蔵すると甘みと粘着質が増すので、空気の通りがよく、水分を吸収する布や紙の袋に入れて冷蔵庫や冷暗所で保存すると芽も出ず長持ちします。長時間煮ても煮崩れしないのでカレーやシチューの他、おでんや肉じゃがなどの煮込み料理、ジャーマンポテトなどの炒め物に向いています。
■北あかり
北あかりはその名の通り、北海道を代表するじゃがいもです。1987年に命名登録された比較的新しい品種で、食味が甘く、ホクホク感も良いことやビタミンCが多いことから人気の商品となっています。見た目はでこぼこしていて丸く、あまり良いとはいえませんが、中身の品質は多くのじゃがいもの中でも優れている部類に入ります。
肉色はメークインよりも黄色く鮮やかな印象を持たせます。デンプン質が高く、ホクホクした食感です。火の通りが他のじゃがいもと比べて半分ほどの時間で済み、中まで味が染み込みやすいので、煮崩れにさえ注意していれば煮物料理にも使えます。また、加熱してからつぶす料理には最適で甘みも強いので、ポテトサラダやコロッケにも向いています。なお、加熱したものをそのまま食べる場合(例えばジャガバターなど)は、お湯で煮込んだり、蒸したりするよりも、ラップして電子レンジで加熱した方が、成分が逃げず美味しく味わうことができます。